PH-English立命館大学薬学部・PEP
論文の英語

論文の英語を、実物の文で学ぶ

科学論文は、決まった組み立てと決まった言い回しで書かれています。このセクションでは、論文の組み立てを押さえたうえで、各パートでよく使う表現を、オープンアクセス論文(CC BY)の実際の文 176 文で学びます。

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パートを押すと、そのパートの例文が「働き」(背景を述べる、目的を示す、など)ごとに並びます。表現で検索することもできます。

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Essay vs Research paper

Essay と論文(Research paper)の違い

高校や大学の授業で書く Essay と、科学論文は、目的も組み立ても違います。

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IMRaD の各パートで書くこと

Abstract要旨論文を読むか読まないかを判断される場所。含める内容(構成)はほぼ決まっている。本文が手に入らなくても Abstract は公開されているので、実は多くの人の目にふれ、Abstract だけが読まれることも多い。一度掲載されたら、撤回しない限り残る。ミニ論文を公開しているようなもの。
Introduction序論自分の研究の位置づけ。研究領域、先行研究との関係(どう関わり、何が違うのか)、新規性(novelty)は何か。含める内容はほぼ決まっている。ここがうまく書けていないと、査読者に論文の価値が伝わらない。
Methods方法手順、実行、分析方法。研究が再現(replicate)できるように、誠実に書く。
Results結果Methods に基づいた研究結果。客観的に、正確に、わかりやすく書く。Figure や Table を使う。
Discussion考察(と結論)結果の解釈と研究の成果。Results で示したデータの意味づけ。Introduction で書いたこととの整合性を確かめる。先行研究とどう関わり、何が違ったのか。新規性は何だったのか。自分の論文にはどんな価値があるのか。今回の研究の限界。

書き方・構成は、分野やジャーナルによって違います。掲載を目指す分野・ジャーナルの論文をたくさん読んで、インプットを得ることがいちばん大事です。

論文の組み立てと、時制・態の早見表

多くの科学論文は Abstract のあと、Introduction、Methods、Results、Discussion(IMRaD)の順に書かれ、最後に Conclusion を置くこともあります。パートごとに役割と、よく使う時制・態が決まっています。

パート役割時制と態
Introduction序論Introduction は、研究の背景と、まだ解決されていない課題を示し、「なぜこの研究をするのか」「何を明らかにするのか」を読み手に伝えるパートです。Introduction では、現在形、過去形、現在完了形などの時制がまざって使われます。現在形は、先行研究のレビュー、現状、事実、理論、研究の重要性、本研究の目的に使い、本研究と同じ立ち位置にあることを表します。過去形は先行研究のレビューに使い、本研究とは距離があることを表します。現在完了形は先行研究のレビューや現状の説明に使い、過去のことが今も効力を持っていることを表します。態については、近年は能動態を使うことがすすめられていますが、受動態で書かれた文もまだ多く見られます。
Methods方法Methods は、研究の手順・実験のやり方・分析の方法を書くパートです。ほかの研究者が同じ実験をくり返せる(再現できる)ように、正直に、具体的に書きます。基本的に過去形で書く。受動態を使って、だれがやったかではなく何をしたかを客観的に書く(例: were conducted, was determined)。
Results結果Results は、Methods で説明した方法で得られた結果を、正確に、誠実に、分かりやすく伝えるパートです。図(Figure)や表(Table)を使いながら、何が分かったかを述べます。Results では、分かったことは基本的に過去形で書く。図や表の説明(Figure 3 illustrates ... / are presented in Table 1)は、ふつう現在形を使う。Results の中で考察するときは、結果の意味や解釈は現在形、推測を含むときは would や may などの助動詞を使う。
Discussion考察Discussion は、Results で示したデータが何を意味するのかを説明し、この研究の価値を読み手に伝えるパートです。Introduction で立てた問いに、結果がどう答えたかを確かめる場所でもあります。Discussion では現在形と過去形が混ざり、助動詞も多く使われる。結果のまとめは過去形(We found... / X increased...)。結果の意味や解釈は現在形(This suggests... / X is...)。自分の解釈・可能性・推測のように断定できないことは、may, might, could などの助動詞で表す。
Conclusion結論Conclusion は、研究の結果とその解釈を短くまとめ、この研究が何の役に立つかを伝えるパートです。Discussion より短く、要点だけを書きます。結果から言えることは現在形で述べる(The current study shows that ... / X is ...)。行ったこと・分かったことのまとめは過去形や現在完了形で書く(we have successfully prepared ...)。断定できない解釈や将来の見込みは could, may, might で表す。
Abstract要旨(アブストラクト)Abstract は論文全体を短くまとめたもので、それ自体が「小さな論文」の構成を持っています。多くの読者は Abstract だけを読んで、本文を読むかどうかを決めます。背景は現在形・現在完了形、目的は現在形または過去形で書きます。方法は過去形で、受動態もよく使います。具体的な結果は過去形で述べます。結論では現在形を使い、断定できないことは may, can, likely, suggest などのヘッジ表現で述べます。

例文について

このサイトの例文は、すべて CC BY または CC0(出典を示せば自由に使えるライセンス)のオープンアクセス論文から、原文のまま引用しています。各例文には、著者・年・雑誌名・DOI を添えています。和訳と解説はこのサイトで作成したものです。

2026年に、すべての例文をオープンアクセス論文の文に置き換えました。

このサイトについて

PH-English は、2020年度の秋学期に、授業の受講生と一緒に作りはじめた英語教材サイトです。学生が論文から集めた表現や、学生と一緒に作った動画をもとにしています。2026年に、サイトを作り直しました。